「検査では、特に大きな異常はありません」
そう言われて、ほっとした。
でも、家に帰っても子どもは「頭が痛い」と言う。
朝になるとつらそうにしている。
学校を休む日がある。
何度も頭痛を繰り返している。
さらに頭痛が続くと、
「異常がないのに、どうして頭が痛いんだろう」
「この頭痛、本当に大丈夫なのかな」
「この先、どうしたらいいんだろう」
という不安が出てくることがあります。
→ 第2回「原因をひとつに決めないという見方」
これは、子どもの頭痛だけではありません。
頭痛という症状は目に見えないからこそ、
「この痛みは大丈夫なものなのか、それとも何か病気が隠れているのか」
自分では判断できないことが、不安を大きくしていきます。
→ 第1回「子どもの頭痛を、頭だけで見ない」
まず気になる頭痛があるときは、医療機関で相談し、必要に応じて診察や検査を受けてください。
そして、大きな病気が否定されたら、
「異常がなくてよかった。では、この頭痛とどう付き合っていこうか」
と、頭痛ケアを考えていきましょう。
頭痛には、「頭痛そのものが中心のもの」と「別の病気や状態に伴うもの」があります
頭痛には、大きく二つの考え方があります。
ひとつは、片頭痛や緊張型頭痛など、頭痛そのものが症状の中心となる「一次性頭痛」。
もうひとつは、感染症、頭部外傷、そのほかの病気や身体の状態に伴って起こる「二次性頭痛」です。
子どもにも片頭痛や緊張型頭痛があります。
片頭痛では、ズキズキするような痛み、吐き気、光や音をつらく感じるなどの特徴がみられることがあります。
一方、緊張型頭痛では、強烈な痛みというより、締めつけられるような痛みが続くことがあります。子どもの片頭痛では、痛みが短時間でおさまり、その後また元気になることもあるため、周囲から「さっきまで痛がっていたのに」と誤解されることもあります。
そして二次性頭痛では、頭痛だけでなく、身体のほかの変化が一緒に現れることがあります。
ただし、ここで大切なのは、
痛み方だけで「これは安全」「これは危険」と完全に見分けることはできない
ということです。
だからこそ、頭痛を繰り返したり、いつもと違う症状があったりするときには、医療機関で一度きちんと相談して下さい。
病院へ行くのは、「怖い病気を探すため」だけではありません
病院に行くというと、
「何か重大な病気が見つかったらどうしよう」
と、余計に怖くなることもあるかもしれません。
でも、
病院で診てもらうことは、安心してその先の頭痛ケアへ進むためでもあります。
診察を受け、必要であれば検査をして、
「重大な病気を疑う所見はない」
「片頭痛として考えていきましょう」
と、頭痛の方向性が分かります。
それだけでも、頭痛が起きるたびに感じていた、
「脳に何かあるのでは?」
「このまま様子を見て大丈夫?」
という不安はずいぶん変わります。
この順番を大切にして下さい。
以前「異常なし」でも、症状が変わったらもう一度相談を
一度病院で診てもらっていると、
「前に異常がなかったから大丈夫」
と思いたくなります。
でも、頭痛の様子が変わったときには、改めて医療機関で確認することも必要です。
特に、
- ふらつく、正常に歩けない、手足が動かしづらい、意識の様子がおかしい、けいれんがある
- 頭痛と嘔吐を繰り返し、日ごとに悪化している
- 発熱とともに強い頭痛や首の硬さなどがある
- 頭を強く打ったあとに頭痛などの症状が出ている
- これまでとは明らかに違う頭痛や、気になる神経症状がある
こうした場合には、整体やセルフケアよりも、医療機関での評価を優先します。
これは怖がるための情報ではありません。
「ここは医療に相談しよう」と判断できることそのものが、安心につながります。
「異常なし」の先に、できることがあります
必要な医療評価を受けて、大きな病気が否定された。
では、その先はどうしたらいいのでしょう。
ここからは、第2回でお伝えしたように、その子の毎日に少し視野を広げてみます。
睡眠はとれているかな。
生活リズムは乱れていないかな。
食事や水分はどうかな。
学校や部活動で無理をしていないかな。
スマホや勉強で、同じ姿勢が続いていないかな。
全部を一度に変える必要はありません。
まず、その子の毎日を少し振り返ってみる。
「最近、寝るのが遅くなっていたね」
「部活が続いて疲れていたかな」
そんな小さな気づきからでもいいのです。
朝の頭痛や「起きられない」が一緒にあるとき
頭痛と一緒に、
朝なかなか起きられない。
立つとふらっとする。
午前中に調子が悪い。
だるさや動悸がある。
といった症状がみられる場合には、頭痛だけを見るのではなく、
起立性調節障害なども含めて小児科などで相談してみることも大切です。
「朝起きられないから怠けている」
「学校へ行きたくないから頭痛になる」
と簡単に決めることはできません。
本人も、
起きたいのに起きられない。
行きたいのに身体がついてこない。
と困っていることがあります。
逆に、朝起きられない子すべてが起立性調節障害というわけでもありません。
だからこそ、これも一人で答えを決めず、必要なところは医療につなげていく。
そのうえで生活全体を見ることが大切です。
身体への負担を見ることも、そのひとつ
スマホやタブレット。
ゲーム。
長時間の勉強。
子どもたちは、私たちが思っている以上に長い時間、同じ姿勢で過ごしています。
首や肩に力が入り続けていたり、前かがみの姿勢が長くなっていたりすることもあります。
でも、ふうが整体院では、
「首が悪いから頭痛」
「姿勢が悪いから頭痛」
と、一つの原因に決めつけることはしません。
身体の状態。
睡眠や生活。
学校での過ごし方。
心の緊張。
それらを少し広く見ながら、
「この子の身体には今、どんな負担がかかっているんだろう」
と考えていきます。
整体は、医療機関での診断や治療に代わるものではありません。
医療で確認する。
必要な治療を受ける。
生活を整える。
身体への負担を見直す。
どれか一つではなく、その子に必要なものを組み合わせていけばいいと思います。
「異常なし」を、安心して次へ進むための言葉に
病院で、
「大きな異常はありません」
と言われた。
それでも頭痛が続いていると、
「じゃあ、この痛みは何なの?」
と思うかもしれません。
でも、
「異常なし」は、「痛くない」という意味ではありません。
そして、
「もう何もできない」という意味でもありません。
まず医療で、心配な病気がないかを確認する。
必要な治療があれば受ける。
そして大きな病気が否定されたら、
「よかった。では、この子が少しでも楽に過ごすために何ができるだろう」
と、その先へ進んでいく。
病気を見逃さないこと。
そして、頭痛のある子どもの毎日を見失わないこと。
その両方を大切にしたいと思っています。
頭痛という症状だけではなく、
頭痛のある「その子」を見る。
「なぜ痛いの?」と答えを急ぐ前に、
「この子に今、何が起きているんだろう」
そこから、ひとつずつ見ていきましょう。
次回
第4回|スマホ・ゲーム・勉強で首はどうなる?――子どもの姿勢と頭痛
次回は、スマホやゲーム、勉強などの日常生活と、首・肩・身体への負担について詳しく見ていきます。

