思考パターンとは何か
Season2ではここまで、シータヒーリングの項目を単なる技法としてではなく、人という存在を立体的に見ていくための視点として見直してきました。
第1回では、項目は人を見る角度であること。
第2回では、4つのレベルと7つの層は違う地図であること。
第3回では、第7層はジャッジのない安心安全な場であり、そこに通じながら各層を見ていくことこそがシータヒーリングの本質であること。
第4回では、3Rが心だけでなく身体や神経にも深く残り、生きやすさや未来の選び方にも関わってくることを書きました。
そして今回は、思考パターンについて見ていきます。
思考パターンとは、頭の中で何度も繰り返される見方や言葉、物事の受け取り方の癖のようなものです。
たとえば、
「どうせ無理かもしれない」
「また嫌われるかもしれない」
「私が我慢すれば丸く収まる」
「頑張らなければ価値がない」
「うまくいくはずがない」
そんなふうに、気づけば同じ方向から世界を見てしまう。
一度や二度ではなく、自然に何度も繰り返されてしまう。
それが思考パターンです。
一見すると、ただの考え方の癖のようにも見えます。
ポジティブに考えればよい、違う見方をすればよい、と言われることもあるかもしれません。
でも私は、思考パターンはそんなに単純なものではないと思っています。
思考パターンは、ただの悪い癖ではない
思考パターンがやっかいなのは、それが単なる悪い癖ではないからです。
表面だけを見ると、ネガティブな思考は「よくないもの」に見えます。
実際、それによって苦しくなったり、自分らしく動けなくなったり、人間関係や選択に制限がかかったりすることもあります。
けれど、そのパターンが長く続いているとしたら、そこには何か理由があるはずです。
人は、本当に何の意味もないものを、そこまで強く繰り返し続けることは少ないからです。
私は、ネガティブな思考パターンもまた、多くの場合はその人を守るために続いてきたものなのだと思っています。
たとえば、「どうせ無理」と思っていれば、最初から期待しすぎずにすむかもしれない。
「また嫌われるかもしれない」と思っていれば、先に身構えることで傷つきを小さくできるかもしれない。
「自分が我慢すればいい」と考えていれば、争いを避けて安全でいられるかもしれない。
こうして見ると、ネガティブな思考パターンは、その人を苦しめる一方で、どこかでは守ってもいたことが見えてきます。
だから思考パターンは、単純に「変えればいいもの」として扱うと、かえって変わりにくくなることがあります。
なぜなら、そのパターンを失うことは、潜在意識にとっては「守りを失うこと」にも感じられるからです。
ネガティブな思考パターンにも“メリット”があることがある
ここが、今回いちばん大事なところです。
ネガティブな思考パターンであっても、潜在意識の深いところでは、それを続けることに何らかのメリットを感じている場合があります。
これは、「本当はその苦しみが好き」という意味ではありません。
そうではなく、苦しさの中にも、無意識に自分を守ってきた仕組みがある、ということです。
潜在意識は、守るために同じ考えを選ぶ
たとえば、
期待しなければ、裏切られたときのショックを小さくできる。
先に悪い方を考えておけば、不意打ちの傷つきを防げる。
自分を責めておけば、人から責められる前に備えられる。
頑張り続ければ、見捨てられずにすむかもしれない。
我慢していれば、関係を壊さずにすむかもしれない。
こうしたものは、表面では苦しいです。
本当はもうやめたい。
もっと軽やかに生きたい。
そう思っていても、潜在意識がその思考に「安全」を感じているとき、人はまた同じ考え方に戻ってしまいます。
だから、思考パターンを見直すときには、
「なぜこんなことを考えてしまうのか」
と責めるよりも、
「この考え方は、何を守ろうとしていたのだろう」
と見ていくことの方が、本質に近いのだと思います。
やめたいのにやめられないのはなぜか
ここを理解すると、今まで責めていたものの見え方が少し変わります。
やめたいのにやめられない。
変わりたいのにまた同じところへ戻る。
頭では違うとわかっているのに、感覚としては抜けられない。
それは、意志が弱いからではないのかもしれません。
むしろ潜在意識が、まだその思考パターンを必要だと感じているからなのかもしれません。
だから、表面だけをポジティブに塗り替えようとしても、深いところでは戻ってしまうことがあります。
言い聞かせても変わらない。
ノートに書いてもまた同じ不安が出る。
その理由は、もっと深いところにあるのです。
思考パターンは頭の問題だけではない
思考パターンというと、つい頭の中だけの話のように感じるかもしれません。
でも実際には、それは心や身体や神経の反応とも深く関わっています。
ずっと不安を前提に考えてきた人は、身体もまた不安に慣れてしまっていることがあります。
先回りして心配することが当たり前になると、神経はいつも警戒モードになりやすい。
「また何か起きるかもしれない」と思っているとき、呼吸は浅くなり、肩や胸は固くなり、身体は無意識に守りの姿勢をとります。
こうして思考パターンは、頭の中の言葉だけではなく、その人の身体の感じ方や反応の仕方にもつながっていきます。
身体や神経の緊張が思考を強めることもある
ここがとても大切です。
思考パターンが身体に影響するだけでなく、逆に身体や神経の緊張が、思考パターンを強めることもあります。
神経が安心していないとき、人は物事を安全より危険の側から受け取りやすくなります。
すると、頭の中でも不安な見方が強まりやすくなる。
「大丈夫かもしれない」よりも、「やっぱり危ない」が自然に選ばれてしまう。
だから、思考パターンを変えたいとき、頭だけを変えようとしてもうまくいかないことがあります。
必要なのは、安心できる場の中で、そのパターンが本当にもう必要なのかを見直していくことです。
安心安全な場の中で見ると、思考パターンはほどけ始める
第3回で書いたように、私にとって第7層はジャッジのない安心安全な場です。
そしてシータヒーリングの深さは、その第7層に通じながら各層を見ていけるところにあります。
思考パターンもまた、その安心の中で見ていくときに、少しずつほどけ始めます。
なぜなら、安心があると、防御として持っていた考え方を無理に握り続けなくてもよくなるからです。
「どうせ無理」と思っていた自分も、責めなくてよくなる。
「また嫌われるかもしれない」と思っていた自分も、未熟だったからではなく、守ろうとしていたのだと見えてくる。
「我慢しなければ」と思っていた自分も、そうしないと危なかった時間があったのかもしれないとわかってくる。
こうして、否定ではなく理解の中で見直されるとき、思考パターンはただの“邪魔なもの”ではなくなります。
役目を終えようとしている反応として、少しずつやわらぎ始めるのです。
わかっただけでは変わりにくい理由
ここでもやはり、わかることと、変わることは同じではありません。
「この思考パターンにはメリットがあったんだ」
と理解することは、とても大切です。
でも、それだけで一気に終わるわけではないこともあります。
長く使ってきた思考パターンほど、身体や神経にも深くなじんでいるからです。
だからこそ、安心の中で何度も見直され、少しずつ「もうこれで守らなくても大丈夫かもしれない」と感じられることが必要になります。
その過程があるからこそ、思考パターンは本当にほどけていきます。
思考パターンが変わると、生きやすさと未来の選び方が変わる
思考パターンを見直す意味は、ただネガティブな考えを減らすことではありません。
本当に大きいのは、その人の生きやすさそのものが変わってくることです。
ずっと「どうせ無理」と思っていた人は、まだ怖さがあっても「やってみてもいいかもしれない」と感じられるようになるかもしれない。
「また嫌われる」と思っていた人は、必要以上に自分を小さくしなくてもよくなるかもしれない。
「私が我慢しなければ」と思っていた人は、自分の気持ちを少しずつ大切にできるようになるかもしれない。
そうなると、未来の選び方が変わります。
今まで防御のために選んでいたものではなく、本当に望んでいる方向を選びやすくなっていきます。
私はここに、思考パターンを見直していく大きな意味があると思っています。
それは、単に考え方を変えることではなく、
生きやすさを取り戻し、これからの未来をより自由に創造していくこと
につながっていくからです。
思考パターンを見直すことは、自分を否定することではない
思考パターンは、ただの悪い癖ではありません。
その奥には、傷つかないため、見捨てられないため、安全でいるために続いてきた反応があることがあります。
だからこそ、思考パターンを見直すことは、自分を否定することではなく、
今まで自分を守ってきた仕組みを、安心の中で少しずつほどいていくこと
なのだと思います。
そしてその先には、
頭の中の言葉が変わることだけではなく、
生きやすさが戻り、未来の選び方が変わっていくことがあります。
私はそこに、思考パターンを見つめる大きな意味があると感じています。
もし今、
やめたい考え方を何度も繰り返してしまう
頭ではわかっているのに抜けられない
そんな感覚がある方は、UPA-LAのセッションや講座案内もご覧ください。
安心安全な場の中で、長く続いてきた思考パターンが少しずつやわらいでいくかもしれません。
