「クレニオセイクラルセラピー(CST)」という言葉を初めて聞く方にとっては、どんな療法なのかイメージしにくいかもしれません。
名前も少し難しく聞こえますし、「整体やマッサージと何が違うの?」と思われるのも自然です。
そこで今回は、CSTの基本的な考え方と特徴を、わかりやすく整理しながらお伝えします。
さらに、一般的な整体との違いを明確にすることで、このケアのユニークさを感じていただければと思います。
CSTとは? ― 頭から仙骨までを結ぶ“リズム”に寄り添うケア
CSTは日本語で「頭蓋仙骨療法」と呼ばれます。
その名前の通り、頭(cranium)から仙骨(sacrum)まで、背骨を通して全身を包む“膜”や“脳脊髄液のリズム”にやさしく働きかける療法です。
体の中には、呼吸や心臓の拍動のように「脳脊髄液の流れによるリズム」が存在しています。
CSTは、このとても繊細なリズムを手で感じ取りながら、ゆがみや滞りを解放し、体が自らバランスを取り戻すのを助けていきます。
ここで大切なのは、「治す」というよりも「体が自分で整うのをサポートする」という考え方です。
施術者はあくまで“ガイド役”であり、主役はクライアント自身の体と心なのです。
一般的な整体との大きな違い
多くの方がイメージする「整体」や「マッサージ」は、筋肉や関節に直接アプローチして緊張をゆるめたり、歪みを整えたりするものです。
強めに押したり、関節を矯正したりするイメージがあるかもしれません。
一方で、CSTは真逆ともいえるアプローチを取ります。
- とても軽いタッチで触れる(5g程度の圧といわれる)
- 無理に矯正しない(体が自ら解放するのを待つ)
- 「静けさ」を大切にする(Stillnessと呼ばれる深い安らぎの状態)
そのため、受けている方は「何もされていないように感じる」のに、終わると「体が軽い」「呼吸が深い」「頭がすっきりした」という変化を実感されることが多いのです。
整体やマッサージが「外から働きかけて変える」ものだとしたら、
CSTは「内から自然に変わるのを待つ」もの。
この点が最大の違いだといえます。
受けた方がよく口にする感想
- 「体がふわっと軽くなった」
- 「呼吸が深くなった」
- 「頭の中が静かになった感じがする」
- 「心までやさしくほどけていくような感覚があった」
強い刺激ではないのに、体と心の両方に変化が起きる。
ここにCSTの魅力があると思います。
私自身の体験から
私が初めてCSTを受けたときも、「ただ触れられているだけなのに、体が奥からゆるんでいく」不思議な感覚に驚きました。
終わったあとは頭が軽く、胸の奥が広がるような呼吸を感じ、心も落ち着いていました。
「これは整体やマッサージとは全然違う」
そう強く実感した瞬間でした。
そして実際に施術する立場になってからも、同じように「何かが自然にほどけていく」様子に立ち会うことが多く、CSTの奥深さを改めて感じています。
CSTの特徴を整理すると…
- 軽いタッチで全身に働きかける
- 体の自然なリズムを尊重する
- 無理に変えるのではなく、内からの回復を待つ
- 体だけでなく心の安らぎにもつながる
まとめ
クレニオセイクラルセラピーは、体を「直す」のではなく、「体自身が整う力」を引き出すケアです。
そのため、筋肉や関節に直接強い力を加える整体とは大きく異なり、静けさの中で自然な回復を促すことが特徴です。
次回は、このCSTを受けると「体や心にどんな変化が起きるのか?」を、さらに具体的にお話していきます。