首と神経を守る生活環境づくり
「寝ても疲れが取れない」「朝から首や肩がこっている」「スマホやPCの後に頭痛がする」——そんな悩みの背景には、首の奥にあるC2(頚椎2番)と硬膜への慢性的な負担が潜んでいます。
負担を減らすには、施術だけでなく日常の寝具・姿勢・スマホ習慣を見直すことが欠かせません。本記事では、首や自律神経を守るための3つの重要ポイントを解説します。
目次
1.寝具 — 首の自然なカーブを守る
枕の高さと硬さ
- 高すぎる枕:首が前に曲がり後頭下筋群や硬膜にストレス
- 低すぎる枕:頭が後ろに倒れ首の前面がつっぱる
- 理想:仰向けで首の後ろを伸ばせる高さ
マットレスの硬さ
- 柔らかすぎ:体が沈み込み首の角度が不安定に
- 硬すぎ:首や肩に点で圧がかかる
- ポイント:体圧分散と寝返りのしやすさを両立(おすすめは高反発)
枕の素材
×低反発:首と頭が沈み込んでしまい、寝返りが打てない
○高反発:通気性良好で頭をしっかり支え、首・頭に圧迫がなく、寝返りが打ちやすい
2.姿勢 — 首の土台は骨盤から
座り姿勢
- 骨盤を立て、背骨のS字カーブを保つ
- 腰を丸めて座ると頭が前に出てC2に負担
- 椅子は深く腰掛け、背もたれを骨盤〜背中に沿わせる
立ち姿勢
- 耳・肩・骨盤・くるぶしが一直線
- 反り腰は首の位置も前方に移動し硬膜を引っ張る
動きのクセ
- バッグを同じ側で持ち続けない
- デスクやモニターは目線の高さに調整
3.スマホ習慣 — 「うつむき時間」を減らす
首への負担は想像以上
頭の重さは約5kg。前傾角度が増すほど負荷は大きくなります。
- 30度前傾:約18kgの負荷
- 60度前傾:約27kgの負荷
改善ポイント
- スマホは顔の高さに上げる
- 20〜30分ごとに首を動かす
- 就寝前1時間はスマホを控える(光刺激で自律神経が興奮)
小さな工夫が大きな変化に
日常の「姿勢のクセ」や「環境」を変えることで、C2と硬膜への負担が減り、施術効果も長持ちします。すべてを一度に変えなくても、まずは寝具・姿勢・スマホ習慣のうち1つを見直すことから始めてみましょう。
次回(第40回)は「自然と共鳴する生活リズムの整え方」をお届けします。首や神経が整いやすい日常リズムを、東洋医学や体内時計の視点から解説します。