頚椎×硬膜リセット流・やさしい呼吸法
深く、ゆったりとした呼吸をすると心が落ち着く…。これは単なる気分の問題ではなく、呼吸が自律神経に直接働きかけているからです。
自律神経は、交感神経(活動モード)と副交感神経(休息モード)のバランスで成り立っています。呼吸はこのバランスを整える“手動スイッチ”のような存在。特に吐く息をゆっくりにすることで、副交感神経が優位になり全身がゆるみやすくなります。
目次
首と呼吸の意外な関係
首には呼吸を助ける筋肉や神経が集まっています。
- 胸鎖乳突筋・斜角筋:呼吸補助筋として胸郭を広げる
- 迷走神経:副交感神経の主要ルートで首を通過
- C2(頚椎2番)と硬膜:姿勢や呼吸筋の働きに影響
首が硬くなると呼吸が浅く速くなり、自律神経の乱れを招きます。逆に、呼吸が整うと首まわりの緊張がほどけ、血流や神経の働きも改善します。
呼吸の質を変える3つのポイント
- 吸うより吐くを長く:例)吸う3秒 → 吐く6秒
- 腹式呼吸:胸ではなくお腹を動かす
- 鼻吸い・口吐き:鼻呼吸で空気を温め肺や神経にやさしく
頚椎×硬膜リセット流・やさしい呼吸法
1.首の位置を整える
- 椅子に座り骨盤を立て、軽く顎を引く
- 後頭部が天井から吊られているイメージ
2.ウォームアップ呼吸(3回)
- 鼻から吸い、口からため息のように吐く
- 吐くたびに首や肩の力を抜く
3.カウント呼吸(5セット)
- 鼻から3秒吸う → 口から6秒吐く
- 首や肩の筋肉がゆるむ感覚を味わう
4.静止呼吸(1〜2分)
- 呼吸のペースを意識せず、自然に任せる
- 全身の重みを椅子や床に預ける
日常に取り入れるタイミング
- 朝起きた直後:1日のスタートを穏やかに
- 寝る前:入眠の質アップ
- 緊張する場面の前:心拍数を落ち着ける
- デスクワークの合間:脳をリフレッシュ
まとめ
呼吸は、自律神経を整えるもっともシンプルで効果的な方法です。「吸うより吐くを長く」を意識するだけで、首まわりの緊張がほぐれ、神経が穏やかになります。
※第37回「首まわりゆるめケア」と組み合わせると、さらに呼吸が深くなります。
次回(第39回)は「寝具・姿勢・スマホ習慣の見直しポイント」について解説します。