頚椎×硬膜リセット流・やさしいアプローチ
「最近、首が固まっている感じがする…」。そんなとき、肩や背中まで重くなったり、頭痛やめまい、目の奥の疲れまで感じることはありませんか? 首の緊張はただの“コリ”ではなく、頚椎2番(C2)・硬膜・自律神経と深く関わっています。ここが硬くなると、神経・血流・リンパの流れが滞り、さまざまな不調につながります。
本記事では「頚椎×硬膜リセット」の考え方をベースに、自宅で安全にできる首まわりのゆるめ方をまとめました。短時間でOK。まずは今日から、やさしく始めましょう。
首の構造をやさしく理解
- 後頭下筋群:頭の付け根の4つの小筋群。眼球運動・姿勢維持とリンク。
- 胸鎖乳突筋:首の側面の大筋。硬くなると回旋制限や顎・肩への波及。
- 僧帽筋上部:肩〜後頚部。肩こりの代表格。
これらは筋肉同士の問題だけでなく、椎骨動脈・自律神経・硬膜とも関係します。首が硬い=「血流と神経の働きの低下」を招き、頭痛・眼精疲労・自律神経の乱れを引き起こしやすくなります。
セルフケアの基本ルール(安全第一)
- 首を強くひねる/ボキボキ鳴らす行為はNG
- 息を止めない。ゆっくり・小さく・痛くない範囲で
- 「痛気持ちいい」を超える刺激は避ける
- めまい・しびれ・高血圧・頚椎疾患がある場合は医師に相談
頚椎×硬膜リセット流・首まわりゆるめケア
1.呼吸リセット
- 椅子に座り、背もたれに軽くもたれる。
- 両手を後頭部にやさしく添え、頭の重みを手に預ける。
- ゆっくり3〜5回、吐く息長めの深呼吸。吐くたびに首の奥がゆるむイメージ。
ポイント:吐く息は5〜7秒、吸う息は3〜4秒。副交感神経が優位になり、首の防御反射が和らぎます。
2.耳まわし
- 両耳を軽くつまむ(耳全体を包むイメージ)。
- 前方向に5回、後ろ方向に5回やさしく回す。
側頭部〜首筋までの筋膜がほぐれ、こめかみの緊張にも◎。
3.後頭下ほぐし
- 後頭部のくぼみ(後頭骨の下縁)に指腹を軽く当てる。
- 頭の重みで押される程度のごく弱い圧で10秒キープ、2〜3セット。
目の奥のこわばりや後頭部の重さがやわらぎます。押しすぎ注意。
4.鎖骨ゆらし
- 鎖骨の内側(胸骨側)に手のひらを当てる。
- 左右へ1〜2cmほど、微細にやさしく揺らす(20〜30秒)。
前側の筋膜がゆるむと、後頭部の引きつりが軽減。呼吸も深く。
5.肩甲骨呼吸ストレッチ
- 両肩を耳に近づけるように持ち上げながら吸う。
- 吐きながらストンと肩を落とす。5回。
肩甲帯が弛み、頚部の荷重が分散します。デスクワークの合間に。
効果を高める+α
- タイミング:朝起きた直後/寝る前/PCやスマホの後に1分
- 温めながら:蒸しタオルを頚部に当てると筋膜がほぐれやすい
- 水分補給:老廃物の排出を促し回復をサポート
※施術の現場では、より効果的な「かえる体操」「ストレートネック用枕」「C2セルフあて」もお伝えしています。これらは別記事で特集予定です。
まとめ
首まわりがゆるむと、頭痛や肩こりだけでなく、自律神経や全身の巡りも整いやすくなります。コツは“短時間でも毎日”。今日から、できるところを1つ選んで続けてみましょう。
次回(第38回)は「呼吸の質を変えると神経が整う」をテーマに、日常で実践できる呼吸の整え方をご紹介します。