【第3章】心と神経をつなぐケア ― はじめに
不調の本当の原因は、もしかすると「心」にあるかもしれません。
「ストレスが原因ですね」「気にしすぎですよ」と言われても、どう整えたらいいのか分からない——そんな経験はありませんか?
心と体は神経を通して密接につながっています。感情や記憶は過去の体験とともに“神経の回路”に刻まれ、気づかないうちに体調や行動に影響します。
この第3章では、なぜ感情が体をゆるめ、なぜ癒しが頭痛にも及ぶのかを、神経生理学×臨床の視点からやさしく紐解いていきます。
「なんとなく整わない」その違和感は“首の奥”から?
毎日がんばっているのに、ふと頭が重い。イライラや不安、眠れない——。
「自律神経の乱れでしょう」と言われても、対処に迷うことは少なくありません。
こうした不調の背景には、首の奥、すなわち脳幹とその周辺の神経ネットワークが関係している可能性があります。
そしてその中枢に最も近く、構造的にも重要なポイントが頚椎2番(C2)です。
脳幹とC2・硬膜の“構造的なつながり”
C2は、頭蓋骨と脳幹のすぐ下、脊髄との接続部に位置する“橋渡し役”。
さらに硬膜(脳と脊髄を包む丈夫な膜)は脳幹周囲に密接し、C2の歪みや緊張は硬膜を介して脳幹に影響し、自律神経バランスを乱し得ます。
後頭下筋群の緊張や頭蓋骨と頚椎のねじれは、延髄や迷走神経に影響する膜的牽引を生みます。第2章の詳説は以下を参照してください。
・第21回:C2と硬膜の関係って?
・第24回:脳幹と自律神経の関係とは?
・第27回:支え圧の合理性
交感神経が優位になりすぎると…
- 呼吸が浅くなる
- 血管収縮による冷え・筋緊張
- 胃腸機能の低下
- 睡眠の質の低下
この状態が慢性化すると、肩こりや頭痛、不安感、倦怠感など日常の質を下げる症状が現れます。
「自律神経を整えましょう」と言われても、構造の土台(C2と硬膜)が整っていなければ安定しづらいのです。
なぜ「C2支え圧」で変化が起きるのか
C2は非常に繊細な部位。強い刺激は逆効果になり得ます。
そこで行うのが、“支える”だけのやさしいアプローチ(支え圧)。C2を介して硬膜に共鳴が起こり、脳幹〜自律神経へと静かで深い変化が広がります。
施術後に「視界が明るい」「眠りが深い」「感情が落ち着く」といった体験が生じるのは、安心信号(安全・安定の入力)が神経回路に届くからです。
まとめ:第3章で深める“心と神経”のケア
頭痛や不調の背景には、構造×神経×感情の深い関係があります。C2はその接点であり、やさしい支えは内側の調和を呼び戻します。
ここからの第3章では、過去の感情や記憶がなぜ今の体に影響するのかを、より丁寧に紐解いていきます。
次回予告
第30回:蝶形骨が原因?目の奥・こめかみの痛み——頭の中心と神経感受性の関係
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