【第25回】眼精疲労・顎関節とC2の意外なつながり― 頭痛以外の不調にも広がる“首の奥のズレ” ―

「目が疲れる」「アゴがだるい」…それ、首から来ているかもしれません。
「最近、目の奥がズーンと重たい」「朝からアゴがだるくて口を開けるのがつらい」——そんな不調に悩んでいませんか?
眼科に行っても異常なし。歯医者では「とくに問題ないですね」と言われる。でも、症状はなかなか改善しない——。

実はこうした目やアゴの不調が、首の奥にある頚椎2番(C2)と、その周囲を覆う硬膜の緊張と関係していることがあるのです。

目次

眼精疲労とC2の意外な関係

目が疲れる、まぶしく感じる、視界がかすむ、目の奥がズキズキする——そんな症状の背景には、単なる「目の使いすぎ」だけでなく、自律神経のバランスの乱れや神経系の過緊張が隠れていることがあります。

特に注目したいのが、C2のわずかな歪みです。C2周辺は脳幹(延髄)とつながっており、その近くには視神経に関係する中枢(視床下部や上丘など)も存在します。

C2にわずかな圧迫やズレがあると、脳幹周辺の血流や脳脊髄液の流れが滞り、結果として視覚系の神経に負担がかかります。
視神経は脳神経の延長であり、脳圧や硬膜の緊張に非常に敏感で、西洋医学の神経解剖学でもこの説明は成り立ちます。

そのため、「眼精疲労なのに首の施術で視界がクリアになった」と驚かれる方が少なくないのです。

アゴの痛み・違和感も「首の歪み」が関係?

意外と知られていないのが顎関節(TMJ)とC2の関係です。

「アゴが開けづらい」「食いしばっている」「マウスピースを作ったけど改善しない」ケースでは、首とアゴの“連動”を見直すことが重要です。

顎関節は後頭骨と側頭骨に支えられています。そしてこの後頭骨はC1〜C2と接しており、後頭骨がわずかに傾くだけでもC2の位置や緊張に影響します。

さらに、咬筋・側頭筋などアゴ周囲の筋肉と、胸鎖乳突筋・僧帽筋など首肩の筋肉は筋膜的にも連動します。
この連鎖的な緊張により、アゴと首の両方に違和感が出ることがあるのです。

つまり、「歯やアゴの問題」と見なされていた症状が、実はC2の歪みや緊張を整えることで改善するケースもあるのです。

“膜”と“神経”のストレスがつなぐ、目・アゴ・首の連鎖

目の疲れ、アゴの違和感、肩こり、頭痛——一見別々に見える不調が、ひとつの共通項でつながっているとしたら?

その共通項とは、硬膜と神経の過緊張です。

C2周囲の硬膜が緊張すると、脳神経や自律神経に波及し、感覚過敏や交感神経優位を生みます。結果として、

  • 光がまぶしく感じる
  • 目の奥がズーンと痛い
  • 食いしばりが増える
  • アゴの動きがぎこちない
  • 首肩こりがひどくなる

これらはすべて、硬膜と神経系の連動ストレス。C2アプローチによって中枢神経系のバランスを整えることで改善が期待できます。

症例紹介:目とアゴの不調がC2アプローチで改善したケース

  • 40代女性:「PC作業がつらく、目の奥が重だるい」
    → 眼科では異常なし。C2の支え圧と蝶形骨まわりの調整で視界のぼやけが改善し、目の重さも軽減。
  • 30代男性:「アゴの痛みで歯医者に通ったが原因不明」
    → マウスピース使用も効果なく来院。C2と後頭骨・側頭骨のバランス調整でアゴの開閉がスムーズになり、違和感が軽減。

まとめ:原因不明の不調に、“首の奥”からのケアを

目やアゴの不調がなかなか良くならないとき、その部分だけにアプローチしても改善しない場合があります。
見落とされがちな首の奥の歪みや緊張が、全体のバランスを崩している可能性があるのです。

「異常はないけどツラい」…そんな方こそ、C2と硬膜のケアが必要かもしれません。
首は神経の交差点。静かに触れて深く整えるアプローチが、全身の調和に影響を与えます。

次回予告

次回【第26回】では、「姿勢とC2・硬膜の歪みの因果関係」について詳しく解説します。
猫背や反り腰がなぜ“首の奥”に影響するのか?
骨盤や足元のゆがみとC2〜硬膜の緊張との“意外なつながり”に迫ります。

「正しい姿勢を意識しているのに、なぜか調子が悪い…」という方にこそ、読んでいただきたい内容です。

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この記事を書いた人

頭痛専門 ふうが整体院 頭痛セラピスト
Holistic life Labo UPA-LA セラピスト ヒーラー

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