【第22回】後頭下筋群が頭痛に関係?—C2と“神経の興奮”をつなぐ筋肉のしくみ

「首の奥をゆるめてもらったら、頭が軽くなった気がする」
施術後、そんな感想をいただくことがあります。
実はこれ、気のせいではありません。
首の奥——特に後頭下筋群(こうとうかきんぐん)と呼ばれる小さな筋肉たちが、頭痛や自律神経の乱れに深く関わっているのです。

目次

後頭下筋群とは?—C2を支える小さな筋肉たち

後頭下筋群とは、頭の付け根にある4つの小さな筋肉の総称です。

  • 大後頭直筋(だいこうとうちょっきん)
  • 小後頭直筋(しょうこうとうちょっきん)
  • 上頭斜筋(じょうとうしゃきん)
  • 下頭斜筋(かとうしゃきん)

これらの筋肉は、頭(後頭骨)と首の骨(C1〜C2)をつなぎ、姿勢の微調整や頭の動きをサポートしています。
とくに、C2(第二頚椎)と密接につながる筋が多く、「C2周囲の機能」に大きく関与しています。

筋肉が膜を引っ張る?—myodural bridgeの存在

近年、myodural bridge(ミオデュラル・ブリッジ)という構造が注目されています。
これは、後頭下筋群の一部が、筋膜を介して硬膜(こうまく)とつながっているという連結構造のことです。
つまり、筋肉が過緊張になると、

  • 筋膜が緊張し、
  • 硬膜を引っ張り、
  • 神経系にまで影響が及ぶ

という“力の伝達”が起こると考えられています。

なぜ神経が興奮するのか?—緊張の連鎖反応

硬膜は、脳や脊髄を包み、神経を守る重要な膜です。
しかし同時に、外部からの張力にも敏感です。
後頭下筋群が緊張し、その力が硬膜に伝わると、周囲の後頭神経(大後頭神経・小後頭神経)や交感神経系に刺激が加わる可能性があります。
これにより、

  • ズキズキするような後頭部の痛み
  • 目の奥の重さ
  • 吐き気・めまい・耳鳴り

などの自律神経症状神経過敏症状へとつながることがあるのです。

だからC2支え圧が効く—筋→膜→神経へのアプローチ

当院の「頚椎×硬膜リセット」では、後頭下筋群を直接ほぐすような手技は行いません。
そのかわり、C2を優しく“支える”ことで、その周囲の筋膜や硬膜の緊張を緩めていきます。
まるで、“糸のもつれ”を中心からほぐすように。
このようなアプローチは、myodural bridgeという構造から見ても、非常に合理的かつ、身体に負担をかけない施術だといえるのです。

まとめと次回予告

後頭下筋群は、小さな存在ながら、C2・硬膜・神経と密接につながる要所です。
その働きを知ることで、なぜ優しい施術でも大きな変化が起きるのかが見えてきます。
次回は、「脳脊髄液と硬膜の流れ」について、さらに深く読み解いていきます。
C2アプローチが体全体にどう影響するのか?お楽しみに。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

頭痛専門 ふうが整体院 頭痛セラピスト
Holistic life Labo UPA-LA セラピスト ヒーラー

目次