「何もされていないのに、涙が出てきました」――安心が起こす変化
これは当サロンでよくいただく言葉です。強く押したり揉んだりはしません。
ただ、そっと首(C2)を支えるだけ。それなのに、心と体の奥で“大きな何か”が動き出す瞬間があります。
今回は、安心できる場所と共鳴がなぜ回復の第一歩になるのかを、頚椎×硬膜リセットの視点からやさしく解説します。
技術だけではなく「場」が変化を起こす理由
慢性の不調を抱える方の多くは、無意識に「頑張りすぎ・我慢しすぎ・気を張りすぎ」の状態にあります。
そこで首をそっと支える(支え圧)と、体の深層が「もう戦わなくていい」「力を抜いていい」と理解します。
この時に起きているのは神経系の切り替え。副交感神経が優位になり、内臓や筋肉が緩み、呼吸がふかく、静かに整っていきます。
施術の“強さ”よりも、安心できる環境とただそばにいる感覚が鍵になります。
C2(第二頚椎)は全身調整のハブ
C2は延髄・脳幹と連携し、自律神経や情動反応に関わる中枢と密接に結びつくポイント。ここにやさしく触れ、支える行為は、
まるで体の司令塔へ「大丈夫」と伝えるようなものです。
オステオパシーの世界では、C2周辺はStillness(静寂)に触れる要所とされ、全身のリズム(一次呼吸)を感じる場所とも言われます。
小さなタッチが自己調整力を引き出し、体全体のバランスが“内側から”整い始めます。
“共鳴”が深層の変化を呼び起こす
施術者と受け手の間で、呼吸・リズム・注意の向きが揃うとき、からだは安心の共鳴を受け取ります。
この共鳴が、言葉を超えて神経系に伝わり、緊張の手放し・涙・深い眠りなどの反応につながることが少なくありません。
強い刺激ではなく、静かな共鳴が回復を導く――これが「頚椎×硬膜リセット」の核です。
まとめ:安心が、自然治癒のスイッチを入れる
「頚椎×硬膜リセット」は、手技だけではなく、安心できる空間と共鳴の場をつくることそのもの。
だからこそ強い力を加えなくても、自然治癒力と自己調整力が静かに動き出します。
“ただそこにいてくれる存在”が、心と体の再生のきっかけになる――その可能性を、私は大切にしています。
次回予告
【第16回】脳脊髄液(CSF)と“ゆらぎ”が導く自然治癒力
静かなリズムに寄り添うと、身体はどう変わるのか?CSFと“ゆらぎ”の観点から解説します。
ご案内 ― “安心”と“共鳴”を体で体験してみませんか?
頚椎×硬膜リセットは、頭痛をはじめとする心身の緊張にそっと寄り添い、やさしく整えるセッションです。
施術だけでなく、日常ケアのポイントも丁寧にお伝えします。初めての方も安心してご相談ください。