“支えているだけ”のように見える施術で、起きている深い変化とは
「首に触れていただいただけなのに、全身がふわっと緩みました」「涙が出そうになったのは、なぜなんでしょう」「帰り道、景色が明るく見えました」——セッション後にいただく言葉です。
“支えているだけ”のように見えるこの施術で、なぜここまで深い変化が起きるのでしょうか。ここでは実際の変化を通して、頚椎×硬膜リセットの本質に近づいていきます。
ケース①:慢性頭痛と不眠に向き合った40代女性(会社員)
病院では「異常なし」。薬も効かず、10年以上頭痛に悩んでいたAさん。最初は半信半疑でしたが、C2(頚椎2番)を静かに支える手技の数分後、表情がふっと緩み「呼吸がしやすい」と変化を実感。
数回のセッションを経て、頭痛の頻度が減少。さらに、「人の目を気にしていた自分に気づいた」「もっと自分をいたわろうと思えた」など、内面にも変化が広がりました。
ケース②:過緊張と不眠に悩んだ50代男性(技術職)
首肩が常にガチガチで、睡眠薬が手放せなかったBさん。初回は「寝落ちしそうで恥ずかしい」と笑っていましたが、終了後は「首の奥の緊張が抜けた」と一言。その晩、薬を使わずに眠れたと連絡がありました。
考えられる背景は、硬膜テンションの緩和と自律神経(副交感)への切り替え。C2支え圧により脳幹まわりの警戒が下がり、全身の休息モードが再起動したと解釈できます。
“感情”が動くのはなぜ?やさしく響き合うタッチ
セッション中に、「理由なく涙が出た」「胸の奥がふっとゆるんだ」といった反応が起きることは珍しくありません。これは単なる筋肉の弛緩以上の変化で、安心・やさしい響き合い・Stillness(静寂)といった深い層への働きかけが関与します。
クレニオセイクラルやオステオパシーの領域でも重視されるのは、“タッチの質”。C2という要所をただ支えることが、神経系に「安全」を伝え、体内の調整力が自ら立ち上がる土台になります。
セッションで起きていること(要点)
- C2支え圧:首の深層にやさしい支えを作り、過緊張のループを解除
- 硬膜とCSFのリズム:膜テンションが整い、体内リズムが穏やかに
- 自律神経の再調整:交感神経優位から副交感優位へ
- 呼吸・姿勢の変化:横隔膜が動きやすくなり、姿勢が自然に整う
- 感情の動き:安心が増すことで、抑えていた感情が安全に解放されることがある
まとめ:静かなタッチが「その人らしさ」をひらく
頚椎×硬膜リセットは、痛みを取ることだけを目的にしたテクニックではありません。
“その人らしく生きる”ための道を、そっと開くアプローチです。症状の先にある「本当の変化」は、静かなタッチの中で静かに始まります。
次回予告
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