「本当に、ただ支えているだけなんですか?」——施術後によくいただく質問です。
やさしいタッチなのに頭痛が軽くなる。
支えられているだけで涙が出る。
今回は、この“不思議”の理由を、解剖学・神経生理学・膜システム、そしてオステオパシーやクレニオセイクラルセラピー(CST)の理論からやさしく紐解きます。
C2は神経の分岐点
頚椎2番(C2)は、大後頭神経の通り道であり、後頭下筋群の起始点でもあります。
これらは脳幹と情報をやり取りし、自律神経系と深くつながっています。
静かな支え圧が入ることで、
- 後頭下筋群の緊張がゆるむ
- 筋膜のテンションが解放される
- 大後頭神経の圧迫が軽減される
これらの間接的な効果が、頭痛だけでなく目の疲れ、耳鳴り、自律神経の不調にも作用します。
膜テンションと脳脊髄液(CSF)の流れ
C2は頭蓋と脊柱の境界にあり、硬膜がもっともテンションを受けやすいポイントです。
やさしい支え圧により、頭蓋から脊柱までの膜の張力が整い、脳脊髄液(CSF)の流れがスムーズになります。
CSTではCSF循環を「生命力の循環」と捉え、脳圧や脳疲労、ホルモン、自律神経に広く影響すると考えられています。
呼吸・リズム・Stillness
オステオパシーやバイオダイナミクスでは、人の体に「一次呼吸(Primary Respiration)」という深いリズムがあるとされます。
C2はその交差点であり、Stillness(静寂)へ至るゲートのような存在です。
支えるだけで、その人が「止まっているけど生きている」ような深い静けさにつながり、自然治癒力が再起動します。
見えないけれど確かにある変化
頚椎×硬膜リセットの支え圧は、単なるリラクゼーションではありません。
神経・筋膜・硬膜・呼吸・エネルギーという身体の深層に働きかけます。
だからこそ、何をしても改善しなかった頭痛にもそっと寄り添えるのです。
強くない、でも深く届く——それが「支えるだけ」の本当の意味です。
次回予告
【第6回】C2から始まる統合ケア:あなたの“全体”がゆるむということ
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ご案内
頚椎×硬膜リセットは、頭痛や心身の深い緊張に悩む方にこそ体験してほしいケアです。
安心・共鳴・Stillnessから、あなた本来のリズムを取り戻しましょう。